原点 〜小学生の“ひとつの予測”が未来を決めた〜

私が「人」と「組織」の世界に深く関わるようになるずっと前。

その原点は、小学生の頃に偶然目にしたニュースでした。

20世紀の終わり頃、「将来、21世紀には、日本国内でIT人材が数十万人不足するだろう」という予測が報じられていました。
当時の私は、社会のことも、仕事のことも、まだ何も知らない子どもでした。
それでも、その数字の大きさと、未来に向けた危機感のようなものが、胸の奥に強く残りました。

「これからの時代は、ITの世界に進むしかない」 そう直感したのです。

その感覚は、誰かに教えられたわけでも、論理的に考えたわけでもありません。
ただ、未来の自分が進むべき方向を、ふっと示されたような、不思議な確信でした。

その後、私は情報系の大学に進み、システムエンジニアとしてキャリアをスタートしました。アセンブラ言語やC言語を駆使してプログラムを書き、システムをつくり、動かし、改善する。何度も失敗を繰り返しましたが、それ自体も楽しく充実した毎日でした。
そんな日々は、子どもの頃に感じた直感が間違っていなかったことを教えてくれました。

転機が訪れたのは、人事システム導入プロジェクトに携わったときです。
「人の情報を扱う」という点では、子どもの頃に抱いた興味とつながっていましたが、そこで見た世界は、私が想像していた以上に奥深いものでした。

人事の仕事は、単に情報を管理するだけではありません。
人のキャリア、組織の未来、働く人の幸福、会社の成長―― あらゆるものが複雑に絡み合い、ひとつの仕組みとして動いている。
そのダイナミズムに触れたとき、私は「もっとこの世界を知りたい」と強く思いました。

ただ、この時点ではまだ、 「人事は経営そのものだ」 という確信には至っていませんでした。

それは、この後のキャリアの中で、少しずつ、時間をかけて形になっていくことになります。

システムエンジニアから人事の世界へ。
当時の私にとっては、大きなチャレンジでしたが、不思議と迷いはありませんでした。
小学生の頃に感じた“未来への直感”が、またひとつ私の背中を押してくれたように思います。

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